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逆流、遡る理由。

 

今週末に大阪でBMG(ビジネスモデル)とVP(価値提案)のワークショップをするので、改めてVPのふり返りをしている日曜の午後。

VP(value proposition)に出会った時、そうそうこの考え方を知りたかったの!!!と感動した記憶がある。そういえば、どうやってこの VP(value proposition)に出会ったっけ???と思う。

ああそうだ、そうそう。と思い出したので、書き出してみる。

RPGでラスボスやと思ったら中ボスで、HPギリギリ、MPもないのに、本家本元のラスボスが出た時「嘘やん!」と叫んだ経験をお持ちではないですか? 仕事でも全力で取り組んでも「嘘やん」と思うことありますよね。私はそういうとき、「何故そうなるんだ?」と気になって仕方ないので、根っこを掘りたがるのです。そうなので、デザイナーですが、デザイン以前の原因を追及して、どんどん上流に遡ってしまったのです。

RPGでラスボスやと思ったら中ボスで、HPギリギリ、MPもないのに、本家本元のラスボスが出た時「嘘やん!」と叫んだ経験をお持ちではないですか? 仕事でも全力で取り組んでも「嘘やん」と思うことありますよね。私はそういうとき、「何故そうなるんだ?」と気になって仕方ないので、根っこを掘りたがるのです。そうなので、デザイナーですが、デザイン以前の原因を追及して、どんどん上流に遡ってしまったのです。

はじまりは、
関わったお店が閉店したこと。

独立して間もない頃は、良いデザインを提供したらお客様のお役にたてられると、割と本気で思っていました。格好いいデザイン提供できたら、きっとそれで集客できる!って。

けど、あるお店が閉店しました。立て続けにお店が閉店したことがあり、かなりショックを受けました。お店としても好きなお店だったので、一客としても寂しい想いをしました。

あの時、これを伝えていたら変わっていたかも?
と、実は気になっていたことを伝えてられてなかったことに後悔をしました。私はデザイナーだからデザインのことだけ考えていたし、それだけ伝えたらいいと思ってました。しかし、ビジネスをするって、もっと複雑で全体を考えないといけない事ってまだわかっていなかったのです。

インサイト → マーケティング → ユニバーサルデザイン
→ 欲求 → インサイト → VP

独立直後、高級腕時計のお店さんのDMをデザインさせていただくことになり、顧客向けのDMを送る際、顧客様がどういうDMが届くとワクワクしてDMを開封してくれるだろう? と考えていたときに出会ったのが、桶谷さんが書かれたインサイトの本でした。14年前に出会った本です。

インサイトはユーザーの心を動かす「そうそう、つまりそういうこと!」と本人も気付いていないニーズが欲求のこと。

インサイトを意識するようになった後、次に興味を持ったのがマーケティングです。マーケティング研修に通いました。その後にユニバーサルデザインについて理解を深めたくて、日本ユニバーサルデザイン研究機構(現:実利用者研究機構)に資格取得のため、学びに行きました。

私のちょっと人と違う、斜に構えた物事の見方は、ユニバーサルデザインを勉強しに行ったことが影響が大きいのです。

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数字は調べる元によって異なるかもしれませんが、上の図は人間の意識と無意識の数字を図に表したものです。人間意識しているのは全体の5%にしか過ぎず、残りの95%は無意識だと言われています。

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ユーザーインタビューなどで商品やサービスのことをヒアリングしても、それが実際のユーザーに近くなく、使用するシチュエーションも大きく異なる場合(例えば、冷蔵庫の商品開発をしていて実際の家庭に近い状況ではなく、会社の会議室でスライドを見ながらインタビューをしているなど)得られる回答の精度は高くありません。

なぜなら、その時、その場でないと、人間の行動や思考が変わってしまうからです。それを言い表しているのが意識と無意識の図。

それにもし仮にリアルなシチュエーションでインタビューできたときても、質問の仕方によっては、同じく得られる回答の精度は高くありません。なぜなら、脳みその構造上、言葉に表して説明することは難しいからです(上の図参照)。

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つまりこういうことです。

実際、簡単な実験としてマーカーの使いやすさをテストしたりしますが、実験された本人は自分の行動の違いを自覚していないことがあります。それくらい実はデリケートなんです。

本人も自覚できていないんだったら、
尚更、ニーズを把握するのはウルトラQ並に難しいのでは?

それで、人間の行動を観察する習慣を身につけました。エスノグラフィーと言われる行動観察です。本人にヒアリングするのではなく、実際のシチュエーションを黙って(本人が意識して普段の行動と異ならない程度に)観察します。

なぜこの行動をするのだろう? なぜそのような発言をするのだろう?結果として表れる背景には、原因(要因)があります。その原因を生み出しているのは思考と行動によるものです。

では、その思考を生み出す背景は何だろう?その前提にはその人の価値観や人生経験、モノゴトに対するそれぞれの概念によって異なります。だから実はめちゃくちゃ複雑なんですよね。人間って。

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社長が作れって言うんで、
作らないといけないのです。

昔商品パッケージをデザインする時に、これ売れるのかな~?って思う商品がありました(売れるのか?と思う商品はたまにあります)。なんでこの商品を作るのか社員さんに聞きました。すると返ってきた答えは

「社長が作れと指示がきたので。期日に間に合わさないといけない」

向いている方向がお客様ではなく、社内に意識が向けられていました。中小企業の場合恐らく社長がアイデアを出し、社員さんに実行を指示される会社さんは多いのではないでしょうか。

いやいやそれだったら、運頼みの商品開発になってしまいますよ。その時担当者の方に返す言葉はありませんでした。その担当者さんもその方の立場を守るためにそのようにせざろう得ないからです。

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上の画像は、スタートアップが新製品のイノベーションに取り組んだ結果、42%は市場にニーズのない製品に取り組んでいるという統計結果です。

お客様目線で考えるって言っても、実際のターゲットとなるユーザーに近い感覚を持った人が社内にいればいいのですが、そうでない場合、あくまで「なんちゃってお客様目線」でしか過ぎません。そして実際のユーザーインタビューをしたとしても、仕方によって精度は大きくことなります。

中小企業の場合、マーケティング自体もあまりされていない会社さん多いのではないでしょうか。ましては、実際のユーザーインタビューを行ったり、テストを行う時間や予算を持つ企業さまはもっと少ないのではないでしょうか。

ちょっと時間に余裕を持って、リリースする前にテストを行うことで、本格的な予算を使う前に軌道修正ができます。商品のテストをする前に、VPなどのツールを正しく使うことで、いきなり一発の打ち上げ花火を上げるよりもっとリスクも予算も少なく、軌道修正、改善ができるのです。

だからこそ、BMGやVPがオススメなのですが、本を読んでもこれほんと難しいんです。シンプルなんですけど、シンプル過ぎて、書き出せないことが殆どです。なので、伴走者としてワークショップや社内研修をさせていただいているのですが、そういえば、大切な話お伝えしていなかったな、汗。と思ってブログに書いてみるのでした。

 
sachiyo fujito